なぜ、今グローバルなのか?

楽天が社内公用語を英語にして、さらに決算発表会を英語で開催して話題になっている。けれども、今、グローバル企業へ脱皮する必要があるのはなぜなのか?

最悪期まであと2年! 次なる大恐慌―人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオを読んでみてやっとわかってきた。

出生数と「支出の波」

この本で筆者は、人口トレンドを見れば将来の需要の変化(つまり景気)を予測できるといっている。
例えば、アメリカの一般的な家庭だと37〜42歳頃に子供が大きくなって家を買い替える。これを人口トレンドに照らして、37〜42歳の世代が最も多くなる時期、つまり、ベビーブーマーが37〜42歳になる2005年頃が住宅需要のピークになり、米国の住宅バブルを発生させたと説明している。

一般的な支出は、筆者によると、48歳頃に最も大きくなるので、出生数のグラフを48年ずらすと、需要の変化を予測できるらしい。

本に載っているグラフをスキャンして載せるわけにはいけないので、日本のグラフを作ってみた。

日本の出生数

厚生労働省の公開しているデータ*1から作成。1944年〜1946年のデータがなく戦死者数も考慮していないので、ちょっといい加減

支出の波

出生数のグラフを48年ずらして作成した「支出の波」。日本では90年代後半がピークになっている。

ネットを調べてみると、このグラフと一致するものがけっこうある。

どちらも、出版不況、小売り不況、あるいは「若者の活字離れ」、「若者のビール離れ」といった言われ方をするけれど、本質的には少子化による需要の現象なのだろう。

日本は内需中心

ところで、パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)にもあったけれど、日本は他の国と比べて内需の占める割合が多い。

日本の輸出依存度は、サプブライムの前に15%を超えたけど、それまでは10%前後しかなかった。*2

だから、企業として成長の望めない日本市場だけを相手にしているわけにはいかないのは、当然なのだろう。

自分が勤めている会社は、かなりドメスティックな企業。それでもグローバル市場で売り上げを伸ばすことが目標になっている...いったいどうなるんだろう?